2006年10月29日

ドイツとフランスの流れをくむ洗練された表現力と卓越した技巧

函館の若手音楽家が主催し、素晴らしい演奏を聴かせている「クレアシオン」に出演している松石隆さんは、当市では数少ない音楽コンクールの受賞歴を有する函館のフルート界を牽引する代表的な演奏家の一人である。

松石さんは、ウィーン・フィルのフルート首席奏者で度々夏の北海道で行われるPMFに参加し始動しているウォルフガング・シュルツ氏を先生とする一戸敦氏に師事し、ドイツ楽派のフルート奏法を身につけるとともに、フランス楽派の流れをくむアンドレ・ジョネ氏を先生とする中山耕一氏にも師事している。このようにドイツとフランス音楽に深い造詣を示す松石さんとこれもウィーンでラウベンシュトラウフ氏からドイツ音楽を学んだ田村宏氏に師事し、またフランスでは、ピエール・ポンティエ氏に師事した伊藤亜希子さんとのデュオは、とても共通した物があり、それが永年コンビを組んでいるゆえんだと思うが、一昨年、二人が共演したフランクのヴァイオリン・ソナタのフルート編曲版の名演は、今でも心に焼き付いている。この実力派同志のイキのあった演奏、ハイレベルな物になることが大いに期待される。

なお、後半に演奏されるイベールの「フルート独奏のための小品」は、松石さんが第5回日本木管コンクール入賞・特別賞およびザ・フルートコンペティション優勝(審査員全員満点)を果たしたときの記念すべき曲である。

次の、プロコフィエフの「フルートとピアノのためのソナタ」は、伊藤さんとの共演で2000年のかなで〜るにおけるリサイタル以来となる思い出深い曲である。

また、この曲は今年6月11日(日)に開催されるリサイタル・シリーズTで、チャイコフスキー国際コンクールのヴァイオリン部門で最高位となった川久保賜紀さんが演奏する予定になっており、二つの楽器による演奏を楽しめることになる。
(函館市芸術ホール 副館長 鹿内正紀)


函館市芸術ホール ジョイント・リサイタルシリーズ SPRING CONCERT 松石隆&伊藤亜希子ジョイント・リサイタル(平成18年3月12日 函館市芸術ホール)プログラムから
posted by flutissimo at 22:51| プロフィール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする